精神の一体化 - ステファン・カーラート先生のインタビュ ー
Written by Kara Goodsell
コース中のインタビューでダライラマは”前置詞の”com”には「~と一緒に」、「同時に」、「 連帯して」などという意味があります。 これらの言葉を聞いて何を思い浮かべますか? それは自分1人ではなく、 他の誰かと一緒に何かをした事のある経験ではないでしょうか?
瞑想講師のステファン・ カーラートは自分は孤立していると強く感じていました。 その事がきっかけとなりバックパックを背負って戦後のドイツから バイロンベイのコミュニティーに辿り着くまでの長い旅の始まりと なりました。
ステファン: とても月並みな考えだけど、 私は何もなくて空っぽだと感じていたんです。 幼い頃から哲学とか人間の精神とかにすごく興味があって” なぜ自分は存在するんだろう?”とか”自分は何なんだろう?” とか”人生ってなんだろう?” という事をいつも自分に問いかけていました。 自分の存在を知るという難問が彼に大陸を渡らせ、 彼の内面的な部分を形成させていったのです。
70年代の戦後のドイツでは映画”Woodstock”的な人生 観や進化する社会の概念というのが人々の間で広まっていきました 。 私は親は世間の言う事に反攻して良心的兵役拒否者として軍を脱退 しました。そしてハイデルベルグの大学で心理学を勉強し、 その後すぐにその学園都市に何人かの友人と一緒に左翼的考えを持 つ人達や団体主義者の集まる場所としてパブをオープンしました。 ステファンは反独裁主義者達を自分の後援者として受け入れ、 それが彼を別の文化へと導くきっかけになったのです。 この一風変わった熱心さが結果的に彼を旅立たせたのです。
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ステファン: 自分でも何を探していたのかはっきりはわかりませんが、 自分の中の奥深い所に眠っている何かを見つけだしたかったんだと 思います。 私はミュンヘンにある大手のハリウッド映画関係の会社で働いてい ました。英語は得意だったのでBianca JaggerやJeff Bridgesなど著名人のお世話役を任されていましたが、 大金をこともなげに動かす人達の中で長時間仕事を行い、 パーティ三昧、そのような環境の中で、 ものすごいストレスを感じていました。そして、 私は欲しいものは全て手に入れている様に見える人が、 実際は全然幸せではないという人達をこの目で何人も見てきました 。
ステファンは浅い池で立ち泳ぎして、 波もないのにおぼれて溺死して危険の中に沈んでいく様な感じがし ていました。70年代の後半に、 西オーストラリアにたどり着いて、 フリーマントルを歩いていた時にオレンジ色のガウンに身を包んだ 何人かの小グループに会ったんです。 その時に何かが自分の中でピッタリはまって、 自分でも理由は全くわからないけど、 急に大粒の涙がボロボロと出てきたんです。
ステファンはそのグループのメンバーに自分達の集会所に来ないか と招待されて偉そうに会話をしていましたが、 ドアが開いた瞬間に自分のなりたかったモノはこれだ! と思いました。 これと言うのは和尚さんのサンヤシンの動きでした。 その団体は自己の成長させる為に瞑想を盛んに行っていて、 私の人生は急に真逆になりました。オレンジ色のガウンを着て、 毎日瞑想していく中でゲシュタルト(ドイツ語の心理学)法、 プライマルスクリーム( 赤ちゃんの様に感情をそのまま解き放って声をあげる) 法や呼吸療法、生まれ変わりなどの新しい治療法に出会いました。
ステファンは心理学の理論を学んだ後、 自分自身が成熟され何かが開けたと言っています。 彼はシドニー郊外にあるブルーマウンテンのJungian Transpersonal Psychology Centre(ジュンギアン・ トランスパーソナル心理学センター) で働く様になるまでの3年間その中で団体生活を送っていました。 センターには50名ほどのスタッフが住み込みで働いていて、 ステファンは彼の得意分野の瞑想を教えていました。
ステファン: アシュラム風の所に住み込みで働いて、 心を癒す力のあるコミュニティーの中で瞑想し、自分を成長させ、 他人と関わっていく。 これは自分にとってすごくいい経験になったし、 勉強になりました。 最終的にはまたこのコミュニティーも離れ自分のグルである” 和尚さん”に敬意を表する為にインドへと旅立ちました。
和尚さんの集団はちょっとした大都市みたいで10,000人以上
この後、ステファンは何度もインドに行く事になりますが、 この時が彼にとって最初のインドでした。
ステファン: インドに着いた時に家に帰って来た様なホッとした感じがしました 。スピリチュアルな事が普通の日常で、 みんな気の前や道ばたでお祈りしたりしていて何も隠されていない 感じがしました。 全てが輝かしくてスピリチュアルな意味が含まれていて… チャンティングや歌の中にも無限の可能性が込められていて、 礼拝をしている人の隣で牛が泣きじゃくっているとか1960年代 の純潔な大使が貧乏人に向かって車でセピア色の土ぼこりを負いか ぶせるとか…いろいろあります。
生と死はいつも隣り合わせで、Sari(サリ: インドの女性などがかぶっているベール) の中に包み隠されています。 信仰深くて感情的なインド人の性格が、 自分の中の奥深くに潜んでいた何かに触れたんだと思います。
ステファンは、 よく質素な小屋の中に何ヶ月もぶっ続けでリトリートに入り( 引き隠って)、黙り込んでしまいす。そのリトリートでヨガで言う ”Samprajanata Samadhi”(サンプラニャータ・サマディー〈 悟りを開いた状態〉)を体験しました。
ステファン: その時、自分でも何が起こっているかわかりませんでした。 なんとも説明しがたい至福感が込み上げてきた感じがして、 そこには自分個人がいないというのはわかりました。 それは行き来する思考の中のとても奥深くから平静に自分の答えを つかみ取った感じでしょうか。
ステファンは悟りを開いた状態を高めながら今も住んでいるオース トラリアに戻ってきました。でも悟りを開いている状態が覚めて、 現実に戻ってしまう、 だんだんとうすれていってしまうと気付いた時にすごく憂鬱になっ てきました。
ステファン: それはネガティブな空虚さというか、とても変な感覚でした。 悟りを開いてピークに達した後、自分がどこに行ったらいいか? 自分の人生はここで終わってしまうのではないか? 自分が見て体験し得た深い思慮がが今度は自分から去っていってし まうというのはとても辛かったです。
![]() Stephan and his wife Bettina on the beach at Byron Bay |
ステファンはしばらくの間、もがき苦しんでいました。” 自分はまた暗闇の中に戻ってきてしまった。これ以上、 自分の事を精神的探究者なんて呼べない。 だって自分にはもう探すものは何もないのだから…” と彼のスピリチュアルな習慣や知識は低下してしまいました。
ある日、ヨガのインストラクターである妻が私をジョン・ オギルヴィーのヨガクラスに引っ張って行きました。 そこでヨガと出会ったのです。ヨガは自分を評価したりせずに、 ただ自分がやりたいと思った事だけすればいい。 他の人と同じ事をする必要はないというのを聞いてとても気が楽に なりました。そして、続けていくうちに体が柔軟になり、 心のバランスも取れるようになってきたんです。 そしたらスピリチュアルな部分にまた火が付き、 光の見える方向に戻って行ったという訳です。
ステファンは毎年インドに行っていて、 今年も11月にバイロンヨガセンターの皆と一緒に行きます。
ステファン: 私が体験したような経験について、” インドに行かなければそういう段階が経験出来ないのか?” と質問された事がありますが、言葉にするのはとても難しいです。 でも、 何か自分の中に響いてくるモノが他の場所と違うのは確かです。 だってそこに住む人々は10,000年以上も前からずっと同じ様 に瞑想をして葛藤してきたのだから…
ステファンはヨガ、瞑想、 プラナヤーマの練習はずっと続けています。 そして今はバイロンヨガセンターのまとめ役として瞑想、 哲学を教えています。 必要があればカウンセリング等も行っていますし、 本当にセンターの中を歩いていると熱心に話しを聞いていたり、 話し込んでいたり、 何か解決策を見つけようと誰かと一緒に座って話し合っているステ ファンの姿をよく見かけます。
![]() Stephan meditating on Byron Bay beach |
5年前にジョンがステファンにバイロンヨガセンターでの瞑想や哲 学、 今までの経験を生かしてカウンセリングするという仕事をオファー してくれた時、自分の心が1番喜ぶ事、 自分の行きつく場所を探して、 それを誰かと共有するという所で全てが1つにまとまった! と思いました。 ステファンは環境保護や哲学原理的に同じ考えを持つ人達と一緒に 家庭生活送り、 それを通して一体化している状態を保つという事を実践しています 。
ステファン: 私はできる限り郊外に孤立したかったんです。 6年前に何人かの仲間とバンガロー郊外に120エーカーの土地を 購入してそれぞれ自分達用に区分けしたんです。 その時にみんなで力を合わせれば政権危機や環境危機があったとし ても自分達で乗り越えられると強く感じました。 自分が集団の中に居る時は自分個人というものには捕われなくなり ます。
私達はひとりぼっちだという間違った概念に気付き、 それを取り除き、 誠実に生きようとすれば人生は喜びと笑いに満ちたものになると心 から信じています。
私達はひとりぼっちだという間違った概念に気付き、
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